俺は「隕石」に夢を見ていた...
「隕石」
男であれば、
なにかしら夢を見る対象であろう。
そして、それは映画「アルマゲドン」で
忠実に再現された。
そうだ、これを夢見ていたのだと認識した。
そして「デイ・アフター・トゥモロー」に、
いつか訪れるであろう世紀末にアドベンチャーの期待感を
覚えたものだ。
実際には真っ先に死ぬかもしれないのに。
しかし、今日、隕石は 漢たちの夢見る対象としての役割を終えたのだ....
そう臭いらしいのだ。
女の子を頭のなかで美化しすぎたチェリーボーイのようだ。
ブーツを履いた女の子の足は、オッサンの足のように臭いのだ。
隕石は、
「なにか金属的で、砂と埃が混じったような匂い、そして磁場が狂うようなもの」
38年余り、そう期待し疑わなかった。
それがこの結果だ。
「彗星67Pのにおいは強烈だ。腐った卵(硫化水素)、馬小屋(アンモニア)、そしてホルムアルデヒドの鼻を刺激する息の詰まるようなにおいがする。シアン化水素のほのかな苦みのあるアーモンド臭も」と述べ、「さらにかすかなアルコール(メタノール)と二酸化硫黄の酢のようなにおい、そして二硫化炭素の甘い香りも少し。これで彗星の『芳香』の完成だ」
すこしそっとしておいてくれないか...